スコティッシュフォールドは立ち耳・折れ耳の両方いる?病気のリスクが低いのは?
スコティッシュフォールドには立ち耳と折れ耳の2種類がいるのをご存じですか?この記事では、立ち耳と折れ耳について解説し、特徴や生まれる確率などについても解説しています。またスコティッシュフォールドの飼い方や注意した病気についても紹介しているので参考にしてください。
スコティッシュフォールドとは まず初めに、「スコティッシュフォールド」について特徴や起源などを解説します。スコティッシュフォールドは、折れた耳が特徴的な猫です。名前にもあるように、スコットランドで発見された種類です。 スコットランドの農園で折れた耳を持った白い猫が生まれたことが発祥したという説があります。起源はスコットランドですが、アメリカやイギリスで研究・交配されました。
現在の種類は長毛種と短毛種があり、前者はアメリカ原産になっています。長毛種は綺麗な毛並みを維持するためにブラッシングが必要になってきます。折れた耳は、実は劣性遺伝であるため、病気にかかりやすいことがあります。 折れた耳を飼っていても、妊娠やストレスなどでまっすぐに変化する可能性もあります。特徴的な耳の他にも、シルクのような毛並みと、丸い顔に丸い目、丸みのあるフォルムが愛くるしく人気です。
体全体の大きさは中くらいで、体重はおよそ3~4㎏くらいです。性格はマイペースで穏やかなことが多く、室内外問わずごろごろと寝ていることもあるため、運動量は少なくても大丈夫な猫です。また鳴き声も小さめなので、マンションでも飼いやすい猫種となっています。
スコティッシュフォールドの耳の種類
続いて、スコティッシュフォールドの耳の種類について紹介します。2種類あることや、折れ耳である理由などについてふれています。立ち耳と折れ耳がいる
スコティッシュフォールドには、立ち耳と折れ耳の2種類がいます。立ち耳の場合、「スコティッシュストレート」と言うこともあります。スコティッシュフォールドは、一般的に、生後すぐ立ち耳になっていることが多く、2~3週間経つと耳が折れ曲がってきます。 折れ具合は、個体差によっても変化します。折れ耳は遺伝することが判明し、アメリカンショートヘア、エキゾチックショートヘア、ブリティッシュショートヘアなど、様々な交配がされ現在のスコティッシュフォールドになりました。折れ耳の理由
折れ耳は、染色体異常により起こる奇形であり、骨軟骨異形成(こつなんこついけいセイショウ)と呼ばれる病気が発症するためだと言われています。 骨軟骨異形成とは、軟骨が正常に形成されずに、骨癌と呼ばれる癌が手や足にできたり、関節炎や変形を伴い、痛みも生じる症状のことです。
そして軟骨で形成されている耳にも症状が現れるため、折れ耳になります。 もしスコティッシュフォールドに骨軟骨異形成の症状が出た場合、痛みがあるので高い場所へ行くことができず、飼い主であっても触れることを嫌がったりします。
スコティッシュフォールドの立ち耳の確率と特徴
続いて、スコティッシュフォールドの立ち耳の確率と特徴について解説します。主に遺伝的な要素が影響していて、病気との関連についてもふれています。立ち耳の確立は70%
スコティッシュフォールドが立ち耳である確率は70%であると言われています。反対に折れ耳が生まれる確率は30%ということになります。立ち耳が折れ耳かどうかは、遺伝子の組み合わせによって決まり、必ずどちらかが生まれるという保障はありません。 例えば、折れ耳同士のスコティッシュフォールドをかけあわせた場合、75%以上の確率で折れ耳が生まれます。 立ち耳と折れ耳のスコティッシュフォールドでは50%以上の確率で折れ耳が生まれるということになります。ちなみに、立ち耳同士のスコティッシュフォールドでは折れ耳の猫は生まれません。立ち耳は病気になりにくい?
スコティッシュフォールドは、基本的に病気になりやすいと言われています。特に耳と骨に関連する病気にかかるとされています。しかし、立ち耳のスコティッシュフォールドは、病気になりにくいという特徴を持っています。 これは折れ耳のスコティッシュフォールドと比べた場合に言えることです。折れ耳のスコティッシュフォールドは、軟骨や骨が正常に成長しない病気である軟骨異形成によるものだからです。
軟骨異形成を生まれながらに持っている猫は、遺伝子的疾患の品種であるため、将来的に軟骨や骨の病気にかかる可能性が高いのです。猫にとって、慢性的な痛みが生じるため、スコティッシュフォールドの交配を禁止している地域もあります。 しかし個体差を考慮すると、「立ち耳であれば生涯健康」「折れ耳だから病気になる」という概念は必ずしも当てはまりません。飼い主による猫の健康管理が影響するので、毎日の元気を支えていくといいでしょう。
立ち耳は骨瘤が出来る確率も低い
立ち耳のスコティッシュフォールドは、骨癌の遺伝子を持っていないため、できる確率も低いとされています。骨癌は、遺伝性の疾患であり、耳やしっぽ、手首、足首などにコブができます。 症状が出ると痛みで足を引きずる、いつもとは違う大きい声で鳴くなどの行動を見せます。中でも、スコティッシュフォールドがソファなどに座るとき、後ろ足を投げ出すようにして座る「スコ座り」と呼ばれるものも、足が痛いためにしていることだと言われています。
骨癌は予防や治療法がないので、対処療法として放射線の照射や、鎮痛薬の投与で対応します。症状がさらに進むと、歩けなくなったり、体が変形したりもします。可能であれば、定期的な健診で骨癌ができていないか確認するのがいいでしょう。
スコティッシュフォールドの飼い方
スコティッシュフォールドは、穏やかで大人しい性格の持ち主ですが、甘えん坊でさみしがり屋な一面も持ち合わせているので、家に常に誰かがいることが好ましいです。 もし、一人暮らしで外出が多い場合や出張などで家を留守にするのであれば、飼い主の家族に面倒を見てもらうか、一緒にいる時間をなるべく多くするといいでしょう。 スコティッシュフォールドは運動量が少なくて済みますが、その分運動不足になりやすいので注意しましょう。
肥満になると体重の負荷が関節にかかり、痛みが生じたり、糖尿病を引き起こしてしまう可能性もあります。 適度な運動と、キャットフードやおやつの与えすぎに留意しましょう。もし四肢に痛みが生じた場合は、フローリングにカーペットを敷いたり、高い場所へのステップを置きましょう。 床の段差をなくしてあげるだけでも関節に負担がかからないので、スコティッシュフォールドにとって住みやすい環境を整えてあげましょう。
スコティッシュフォールドの注意したい病気
最後に、スコティッシュフォールドが注意すべき病気について紹介します。症状や治療法についてもふれているのでぜひチェックしてみてください。軟骨異形成症候群
スコティッシュフォールドは、遺伝的な要素で軟骨異形成症候群になりやすいので注意しましょう。放っておくと後足や前足の骨に軟骨の塊である骨癌が発生し、痛みを伴います。 予防法や治療法がないため、飼い主による日頃の健康観察が非常に大事になってきます。少しでも異常を発見した場合は、かかりつけの獣医に診てもらい、診断や必要に応じて対処療法を行いましょう。外耳炎
スコティッシュフォールドは、外耳炎にも気をつけましょう。外耳炎は、細菌が繁殖しやすい場所で外耳道の皮膚に炎症が起きてしまう耳の病気です。 耳のかゆみを伴うので、かなりの頻度で足で耳をかいたり、耳を床や物にこすりつけることがあります。
スコティッシュフォールドがこのような行動を取った際に、耳の中を見て、赤色や黄色の耳垢がたまっているかチェックしてみましょう。 そのままにしておくと、悪臭を放ったり、耳だれが外にまで漏れ出してしまい、耳の周りが汚れます。治療は塗り薬で対応できることが多いので、かかりつけの獣医に相談してみましょう。