日本でフクロウをペットにしている方はまだまだ少ないですが、その人気は年々高まっています。この記事ではフクロウを飼ってみたいという方のために、フクロウの特徴や寿命といった基本情報・ペットとしてのフクロウの飼い方・ペットとして飼いやすいフクロウの種類と値段などをご紹介していくので、興味のある方はぜひご覧ください。
フクロウの基本情報
フクロウは鳥網フクロウ目フクロウ科フクロウ属に分類される鳥類で、全長が70cmを超える大型のものから17~20cmの小型のものまで268種類が存在すると言われています。
日本に生息するのはシマフクロウやコミミズク・シロフクロウなど11種類で、九州以北から四国・本州・北海道にかけて分布しています。ここからは、フクロウの特徴と寿命について詳しく解説していきます。
フクロウの特徴
まずはフクロウの特徴からみてきましょう。夜行性であるフクロウは暗闇でも物が良く見えるように、眼球が大きく発達しています。平たいお面のような顔をよくみるとハート型をしており頭は丸くて大きいのが特徴です。
多くの鳥は前向きに指が3本・後ろ向きに指が1本ついていますが、フクロウの足は前向きに2本・後ろ向きに2本ついています。そのため、枝をがっしりつかむことや
捕まえた獲物をしっかりつかむことができます。
また、羽にも特徴があります。フクロウの風切羽はギザギザした構造になっています。このギザギザは「セレーション」と呼ばれ空気を拡散させる効果があり、新幹線のパンタグラフにも静音対策して応用されています。フクロウが羽根の音をたてずに獲物に近づけるのはこの仕組みのおかげなのです。
フクロウの寿命
次にフクロウの寿命ですが、フクロウの寿命は種類や大きさによって違ってきます。手乗りにもなる小型のフクロウの寿命は10年~15年ほどで、中型のものなら30年・大型のフクロウになると40年生きる個体もいるそうです。フクロウ全体の平均で20年程度なので、動物のなかでも長生きする方だと言えます。
ペットとして育てられながら60年生きた個体もいるようですが、
ストレスがあったり環境があわなかったりすると2年~3年で亡くなってしまうこともあるので責任をもって育ててあげることが大切です。
フクロウはペットとして飼える?
その可愛らしい見た目から人気が高まっているフクロウですが、ペットとして飼育することは認められているのでしょうか?ここからは、フクロウをペットにするための規制はあるのか?・家庭でフクロウの飼育は可能か?といった問に答えてきます。
フクロウをペットにするための規制はあるの?
フクロウを飼ってみたいという人の中には、フクロウを飼育することが違反に当たらないか不安に感じている方もいるかもしれません。しかし、フクロウを飼うには特別な資格や許可は必要なく、
きちんとした飼育環境さえ整っていれば誰でも飼うことができます。
とはいえ、どんなフクロウでも飼えるわけでなく野生のフクロウを捕まえて飼う行為は禁じられています。フクロウを飼いたいと思っているなら、ペットショップで購入するなど正規のルートで販売されているフクロウを購入するようにしてください。
家庭でフクロウの飼育は可能?
フクロウを飼おうと思ったときに住んでいる場所が持ち家なら問題はありませんが、賃貸に住んでいる方は注意が必要です。たとえペット可の物件に住んでいたとしても、物件情報が示すペットとは「犬や猫」などの動物であることがほとんどです。
鋭い足を持つフクロウなどを危険な動物だと思っているオーナーも多く、ペットとして認められていないことも少なくありません。トラブルを避けるためにも「ペット可物件だから、大丈夫だろう」ではなく、
必ず事前に確認しておくようにしましょう。
手乗りや肩乗せもできる⁈
フクロウを飼ったら「手に乗せたり肩に乗せたりしたい」と思って人も多いはずです。しかし、フクロウはむやみに手に乗せたり肩に乗せたりすることはできません。手に乗せる場合は必ず革製の手袋をして手の上にだけ乗せるようにしてください。フクロウは鋭い爪をもっており、びっくりしたとき反射的に強く足を握る習性があります。
その力はとても強く、爪が手に貫通する恐れもあります。どんなに慣れていても、素手で触るのはとても危険なので絶対に革製の手袋をつけるようにしてください。また、肩や首に乗せるのも大変危険です。首や耳などの急所や顔や目を守るためにも肩や首に止まる癖をつけないように注意しましょう。
ペットとして飼いやすいフクロウの種類と値段
ここまでは、フクロウの基本情報やフクロウはペットとして飼えるのかについ詳しくまとめてきました。ここからは、ペットとして飼いやすいフクロウの種類と値段をご紹介してきます。
フクロウの種類と値段①コキンメフクロウ
ペットとして飼いやすいフクロウ1つ目にご紹介するのは「コキンメフクロウ」です。コキンメフクロウはヨーロッパ・北アフリカから中国までのアジアに生息するフクロウで、昆虫やミミズ・両生類などを捕食します。
体長は20cm~27cm・体重は約200gと小さめですが、攻撃的で神経質な面を持ち合わせています。完全な夜行性ではないため、日中でも活動する姿が楽しめます。ぬいぐるみのような姿が人気のコウキンメフクロウですが、
飼育するには多少の技術と経験が必要です。
体長 |
20cm~27cm |
平均寿命 |
10~15年 |
値段 |
15~30万円 |
フクロウの種類と値段②アカスズメフクロウ
ペットとして飼いやすいフクロウ2つ目にご紹介するのは「アカスズメフクロウ」です。アカスズメフクロウは、体長16~20cmの世界最小クラスのフクロウです。フクロウには珍しい
昼行性なので夜明けと日暮れ時に活発に活動します。
神経質で怖がりな性格をしている個体が多く人慣れしにくいほか、寒さにも弱いためのフクロウよりも飼育難易度は高くなります。手乗りにさせたいという方は、雛のうちから飼って慣れさせる事で手乗りにも実現できるかもしれません。
体長 |
16~20cm |
平均寿命 |
10年前後 |
値段 |
20~40万円 |
フクロウの種類と値段③シロフクロウ
ペットとして飼いやすいフクロウ3つ目にご紹介するのは「シロフクロウ」です。シロフクロウはグリーンランド北部やユーラシア大陸・北アメリカ大陸などの生息するフクロウで、人気の映画にも登場していることから日本でもよく知られています。
その名前から真っ白な羽毛を持っているイメージがあるシロフクロウですが、
真っ白なのは成熟したオスのみでメスや若い時には茶色や褐色の斑毛が混じっています。とても頭の良いフクロウですが、
気性が荒いため人慣れすることはあまり期待できません。昼行性なので、日中でも狩りを行うのが特徴です。
体長 |
52~71cm |
平均寿命 |
25~30年 |
値段 |
30~40万円 |
フクロウの種類と値段④スピックスコノハズク
ペットとして飼いやすいフクロウ4つ目にご紹介するのは「スピックスコノハズク」です。スピックスコノハズクは南アメリカ原産のフクロウで、小型のフクロウに分類されます。人を恐れることがなく温厚な性格をしているので、うまく飼育すればなついてくます。
また、体も丈夫なので初心者でも飼いやすいところが魅力です。しかし、非常に耳が良く鳴き声が大きいのでマンションなどの集合住宅での飼育には適していません。戸建てであっても隣の家との距離が近い場合には困難なので、どしても飼いたい場合は
十分な騒音対策を行うようにしてください。
体長 |
20~24cm |
平均寿命 |
10年前後 |
値段 |
30~40万円 |
フクロウの種類と値段⑤メンフクロウ
ペットとして飼いやすいフクロウ5つ目にご紹介するのは「メンフクロウ」です。メンフクロウは世界中に広く分布しており、様々な色や大きさものが存在しています。お面をつけたような顔をしていることからメンフクロウと呼ばれるようになりました。
販売されているフクロウの中でも比較的安価で、環境に慣れやすいことから飼育しやすくペットとしても人気があります。温厚な性格をしていますが、
デリケートな一面も持ち合わせているのでストレスがたまらないように注意してあげましょう。
体長 |
33~40cm |
平均寿命 |
20~30年 |
値段 |
10~20万円 |
フクロウの種類と値段⑥モリフクロウ
ペットとして飼いやすいフクロウ6つ目にご紹介するのは「モリフクロウ」です。モリフクロウはヨーロッパ・アフリカ北部・アジア西部が原産のフクロウです。体長は30~45cmほどで中型に分類されます。
羽根の色はブラウン系とグレー系の2種類があり、羽の色によったまったく違った印象を与えます。穏やかで落ち着きのある性格なので、
女性や初心者の方でも飼育しやすいところが魅力です。
体長 |
30~45cm |
平均寿命 |
20年前後 |
値段 |
20~40万円 |
ペットとしてフクロウの飼い方
ではペットとしてフクロウを飼う場合どのような点に注意すればよいのでしょうか?ここからは、餌や飼育環境などペットとしてのフクロウの飼い方をまとめていきます。
フクロウの餌について
フクロウは肉や昆虫をえさとする肉食動物ですが、どのようなものを餌にしているのでしょうか?一般的にフクロウの餌として与えられているは、ひよこやウズラなどの小鳥やラットマウス・ミルワームやコオロギなどです。
フクロウを飼うならまず餌になれる必要があります。
動物そのままの形をしているので衝撃も強く、場合によっては肉を細かくさばくなど下処理を行う必要もあるので、飼い主にも大きな負担がかかります。
自分で餌の下処理や与えられない方は飼うのを控えた方が良いでしょう。
フクロウのペットしての飼育環境について
フクロウの飼育方法には「係留飼育」「放鳥飼育」「ケージ飼育」の3つの飼育方法があります。係留飼育とは、アンクレットを付けて係留パーチに繋ぐ飼育方法で、フクロウの動くを予測するなどある程度の知識と経験が必要です。
放鳥飼育とは放し飼いにする飼育方法で簡単に行うことができますが衝突や誤飲・ロストなどのリスクが高くなります。ケージ飼育は鳥かごやケージに入れて飼育する方法です。ケージにぶつけて羽が傷つく恐れあるほか、人離れしやすいためペットフクロウの飼育には向いていません。
経験と知識が必要となりますが、
安全性や健康面を考慮するなら『係留飼育』するのがおすすめです。また、畳ではなくフローリングのほうがお手入れもしやすいと言えます。少しでも長生きできるように、できるだけフクロウが過ごしやすい環境を整えてあげるようにしてください。
飼育環境を整えてフクロウをペットと迎えよう
愛らしい見た目からペットとしての人気が高まっているフクロウですが、安全に飼うためには飼育環境をきちんと整えてあげる必要があります。今回は、フクロウの基本情報やペットとして飼いやすいフクロウの種類と値段、ペットとしてのフクロウの飼い方をまとめてみました。ここでご紹介したことを参考に、ペットとしてフクロウを迎えてみましょう。