ポメラニアンと柴犬という人気犬種を掛け合わせた「ポメ柴」は、ドラマなどでも登場し、最近人気上昇中のミックス犬です。テレビで見たことをきっかけに飼いたいと考えている人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、ポメ柴の特徴や飼い方のポイントについて詳しく解説していきます。
ポメ柴とは?
最近では純血種の犬だけでなく、純血種同士を掛け合わせたミックス犬が人気を集めており、ペットショップでも見かける機会が増えてきました。「ポメ柴」はポメラニアンと柴犬のミックスであり、人気の種類となっています。
ポメ柴はミックス犬種?
ポメ柴とは、ドイツ発祥のポメラニアンと日本犬である柴犬を交配させたミックス犬です。昔は、意図的ではなく犬同士で自然交配が行われ、生まれた犬が「雑種」と呼ばれることもありましたが、現在では意図的に純血種を掛け合わせて誕生した犬が「ミックス犬」と呼ばれ人気を集めています。
ポメラニアンと柴犬のミックス犬は「ポメ柴」「柴ポメ」「シバラニアン」「ポンシー」「シーポン」などと呼ばれていますが、今回は「ポメ柴」という呼び方で統一して解説していきます。一般的にミックス犬は、両犬種の特徴を半分ずつ受け継ぐ子もいれば、どちらかの特徴が強く出る子もいます。 小型犬であるポメラニアンと小~中型犬の柴犬のミックスの場合は、毛並みはポメラニアンのようにフサフサとした被毛で、顔つきは柴犬のようにサッパリとしたキツネ顔の子や、逆に柴犬のような短毛にポメラニアンのようなつぶらな目と幼い顔立ちの子など様々です。
ポメ柴の特徴は?
ここで、ポメ柴の大きさを含む外見の特徴について詳しく解説していきます。ポメラニアンと柴犬は大きさの違う犬種同士なので個体差はかなりありますが、平均的には以下のような特徴を持ちます。
ポメ柴の大きさは?
ポメ柴の大きさに関しては、あまり統一感がなく、個体によって大きく異なる印象です。平均は体重が6~8kg、体高が25~34cmと言われていますが、あくまでも参考程度と言えます。 この2種は、小型犬で平均体重1.8~3.5kgのポメラニアンと、中型犬で平均体重9~11kgの柴犬という大きさが全く異なる犬種同士なので、ポメラニアンと柴犬の中間程度の大きさになる子もいれば、柴犬くらい大きくなる子もいます。
一般的にミックス犬は小型犬同士、大型犬同士など大きさが似ている犬種同士を交配させる場合がほとんどですが、ポメ柴は小型犬と中型犬のミックスです。ポメラニアンのような小型犬を飼いたくて迎えた場合、予想以上に大きく成長する可能性は十分にあるので、注意が必要です。
ポメ柴の外見は?
ポメ柴は、外見も個体差がありますが、多くの個体は
マズルと耳が柴犬、被毛と目がポメラニアンに似ることが多いと言われています。柴犬のシュッとしたマズルに、ポメラニアンのつぶらながらもクリッとした瞳が合わさるので、とても可愛らしい顔立ちになります。 被毛は、柴犬もポメラニアンもアンダーコートとオーバーコートの二層の被毛を持つダブルコートですが、柴犬は短毛種でポメラニアンは長毛種です。これがポメ柴の場合、
ポメラニアン寄りのフワフワした長毛種になる子が多いのです。
どちらにしてもダブルコートになることは間違いないので、基本的に抜け毛は多く換毛期には大量の毛が抜け落ちます。抜け毛対策を行えるよう準備が必要です。また、被毛の色は、多くの場合親犬の被毛の色を受け継ぎます。 ポメラニアンには白やクリーム、黒などの被毛が多く、柴犬は赤茶が一般的で、稀に黒と白の被毛を持つ子がいます。そのため、
ポメ柴の被毛は白やクリーム、赤茶が多くなります。
ポメ柴の平均寿命は?
ポメ柴の
平均寿命は12~15年です。ミックス犬は長生きする傾向があると言われており、個体によっては15年以上生きる子もたくさんいるでしょう。これは他のミックス犬とほぼ同様の年齢ですが、犬は生活環境によっても寿命は異なります。 できるだけストレスがなく適度な運動と健康的な食事を摂ることで、平均寿命以上に長生きさせてあげることは十分に可能です。
ポメ柴の性格の特徴は?
続いて、ポメ柴の性格の特徴について解説します。やはりポメラニアンと柴犬のミックスなので、両種の性格の特徴を受け継ぐ個体が多いようです。
ポメ柴の性格①警戒心が強い
ポメラニアン、柴犬ともに警戒心が強い傾向にあるため、
ポメ柴も警戒心の強い子が多いと言われています。柴犬に関しては吠え癖のある子は比較的少ないですが、飼い主以外の人や他の犬とは静かに距離を取るタイプです。 一方でポメラニアンは、初めて見る人や他の犬に吠える子も少なくないので、柴犬に似た性格になれば吠え癖に関して悩むことがないものの、ポメラニアンに似た性格になると吠えまくる子も時々います。 その場合、吠え癖が付かないよう幼少期から飼い主以外の人間や他の犬と触れ合わせて社会性を身につけながら、しっかりとしつけをすることが大切です。
ポメ柴の性格②従順
ポメ柴は
飼い主に対して従順な子が多いです。ポメラニアンは忠誠心が強く、飼い主からしつけをされるのも比較的好きな性格です。更に柴犬も、飼い主に対して非常に忠実で、基本的なしつけを行えば飼い主の言うことをしっかりと聞くことができます。 そのため、ポメ柴は幼少期からしっかりしつけをすることで、飼い主に対して従順で賢い子になることがほとんどでしょう。
ポメ柴の性格③落ち着きがある
ポメラニアンと言えば、飼い主以外の人には元気よく吠えたり、自由奔放に遊び回る活発でやんちゃな性格を持つ子が多いですが、柴犬は基本的には落ち着いていて他人には少々冷たく、愛想を振りまかないタイプの子が多いです。 そしてポメ柴はこのような
両種の特徴を上手に中和させた、落ち着きがありつつ適度な社交性を持つ子に育ちやすいのが特徴です。つまり、ポメラニアンよりは落ち着いた子が多く、第三者に対しても攻撃的ではなく上手に振る舞える、とても理想的な性格になる場合も多々あるというわけです。 もちろん個体差はあり落ち着きのない子も中にはいますが、比較的穏やかで社交性も適度に身につくため育てやすいと言えます。
ポメ柴を飼う時のポイント
最後にポメ柴を育てる上で重要となる飼い方のポイントについて解説しておきます。散歩やブラッシングを習慣づけることが重要となる犬種なので、こういったお世話が難しい方は他の犬種を検討したほうが良いでしょう。
ポイント①散歩
ポメラニアンも柴犬も活発な犬種で、ポメ柴も動くことが大好きなので
散歩は習慣的に行く必要があります。特に柴犬はスタミナもあり運動できないとストレスを抱えてしまうため、大きく育った子ほど散歩時間は長めに取ったほうが良いでしょう。 理想的な散歩時間は、
1回30分前後を1日に2回ほど行えると良いです。万が一忙しく1回しか散歩に行けない場合は、1時間程度の長めの時間散歩しても問題ないので、できるだけ毎日行ってあげてください。 また、自由に遊び回ることを好む一面があるため、時々はドッグランなど開放的な空間で思いきり走らせてあげると、喜びます。
ポイント②ブラッシング
前述したように柴ポメはダブルコートの被毛で覆われているため、
日々のブラッシングケアが必要不可欠となります。日常的に抜け毛は多めなので、
毎日~2日に1回程度といった頻度でブラッシングをすると、抜け毛によって家具や服が毛だらけになるのを防ぐことにも繋がります。 また、換毛期はかなり大量の毛が抜けるため、ダブルコートの犬種用に開発された「ファーミネーター」などのアンダーコート除去ブラシを使用してしっかりとブラッシングすることが大切です。ブラッシングは抜け毛を減らすだけでなく、毛玉や毛の絡まりを防いだり被毛の間に入り込んだ虫の除去もできます。 犬は毛が絡まると痒がって強く引っ掻いてしまったり、虫が長時間毛の中にいると病気の原因となり、犬にも人間にも被害が及ぶ可能性があるので、必ずブラッシングを習慣づけましょう。
ポイント③信頼関係
ポメラニアンも柴犬も警戒心は強めで、たとえ家族だとしても本当に信頼できると思った人にしか、なかなか心を開いてくれない一面もあります。そのため、
日頃から信頼関係を築いておくことが最も大切です。しつけを行う際も、信頼している人の指示のほうが、よりスムーズに聞き入れてくれるでしょう。 では、どのように信頼関係を築くかと言えば、
愛犬とスキンシップを取る時間を欠かさず作る、散歩に連れて行ってあげる、常に甘やかしてばかりではなくダメな時はきっちり怒る、愛犬の嫌がることをしない、しつけに一貫性を持たせるなどといったことが重要です。 犬は、いつも自分を見て褒めたり叱ったりしてくれる人、身の回りの世話をしてくれる人、自分を可愛がってくれる人をしっかり観察しています。愛犬にとってそのような存在になれば、自然と信頼関係も築けるでしょう。
ポメ柴の相場価格
ポメ柴の
相場価格は20~40万円程度となります。ポメラニアンは30万円以上する個体が多く、柴犬は10~20万円前後なので、柴犬より高額にはなりますが、ポメラニアンよりは少々安く迎えることができます。 ポメ柴はミックス犬の中では徐々に人気は上昇していますが、まだマルプーやチワプーなどといった小型犬のミックスと比較するとペットショップで見かける頻度は少なめだと言えます。そのため、ポメ柴が飼いたいという場合は
専門のブリーダーさんから直接購入するのがおすすめです。
ポメ柴は甘えん坊で可愛い!
ポメ柴は可愛らしい顔立ちで癒やされるだけでなく、飼い主に対して従順なので、甘える時は体を擦り寄せて来る子もいます。散歩やブラッシングなどのお世話が問題なく行える方であれば、初心者の方でも育てやすいため、ぜひ家族に迎えることを検討してみてください。