犬に比べて感情が分かりにくい猫ですが、実はポイントを抑えることで考えていることが分かるのです。いくつか感情が出るポイントがある猫ですが、中でも目を細める時の意味を覚えておくと便利でしょう。
今回は、猫が目を細める意味や、目を細める時に疑うべき病気について紹介します。喋ることのできない猫が目を細めることで訴えている感情を、チェックしてみましょう。
猫は目で感情を伝えている?
動物は怒る感情は分かりやすく出しますが、不快な時や嬉しい時の感情は分かりにくいです。中でも、猫は気まぐれで犬よりも感情が分かりにくいため、長く一緒にいないと些細な変化に気づくことができないでしょう。
そんな時におすすめしたいのが、
目を見ることです。猫は獲物や興味のある物を見つけた時に目を見開いたり、明るい場所では瞳孔が小さくなり、暗い場所では瞳孔が大きくなるなど
目に数々の変化をもたらします。
中でも目を細めた猫はビジュアルが可愛すぎるため、愛猫家たちの間でも癒しと言われているのですが、様々な意味・心理が関係していたのです。
猫が目を細めるときの意味・心理とは
続いて、猫が目を細める意味・心理について紹介します。猫が目を細める意味・心理は一つだけではなく、様々な理由があるのです。こちらの全項目をチェックして、状況に応じた訴えを理解してあげましょう。
猫が目を細める意味①相手に好意を持っている
相手に好意を持っている時、目を細めます。猫は顎を触られることは好きなのですが、気持ちよさそうに目を細める様子を見たことはないでしょうか?
相手に敵意がなく、好意を持っていると目を細めるようで、愛猫に触れた時に目を細めてゴロゴロと言っていたら、飼い主への好意を表しているのです。
反対に、目を見開きずっと目が合う時は、相手に対し敵意や警戒心をむき出しにしている合図ですので、初めて触れようとする場合は、もう少し様子も見てから近づくようにしましょう。
猫が目を細める意味②気分が良くて眠くなっている
人間と同じで気分が良くて眠くなっている時、目を細めます。
猫が眠たい時は目を細める他に、喉をゴロゴロ鳴らし始めたり、毛づくろいを始めたり、突然甘えて来たり、逆に攻撃的になったり、瞬膜が広がる、耳が熱くなるなど様々なヒントを出します。
眠たくて目を細める猫は可愛いですし、眠っている猫はつい触りたくなってしまいますが、ウトウトしている時に無理やり触ったり、大声で話したり、抱っこをしようとすると大きなストレスを与え、最悪飼い主のことが嫌いになってしまう可能性もあるので辞めましょう。
猫が目を細める意味③リラックスしている
猫はリラックスしている時も目を細めます。
大好きな飼い主に気持ちの良い触り方をされたり、気持ちよく日向ぼっこをしてる時などは、高確率で目を細めています。
リラックスしていたり気持ちよさそうにしていると、飼い主はとことん気持ちよくなる触り方を続けたくなりますが、猫が十分と感じ離れようとしたときは、気持ちを察し触るのを辞めてあげましょう。また、リラックスタイムは比較的触られることを嫌がらないので、お手入れをするベストなタイミングでもあります。
猫が目を細める意味④まぶしく感じている
猫は暗い場所でも行動できるように、わずかな明るさでも空間を認識できる目の構造になっています。その為、明るい場所に行くと、目を守るために目を細めるのです。猫は
桿体(少ない光でも形を感知できる光受容体)が人間の6倍もあると言われています。
その為、単純に考えても人間の約6倍明るい場所に弱く、まぶしく感じるのです。人間がまぶしいなと感じた時は、猫にとってかなりまぶしい環境になっているので、目を細めている場合は光を遮断してあげましょう。
猫が目を細める意味⑤ご飯を美味しく思っている
おいしいごはんを食べている時も、猫は目を細めます。夢中になって
ごはんを食べている猫を観察すると、幸せそうに目を細めている姿を見ることができるでしょう。また、他にも舌なめずりをしたり、舌が出しっぱなしになっている時はフードをおいしいと感じています。
一方、フードを出しても、匂いを嗅いでスルーしたり、一向に食べ始めず飼い主の方をじっと見つめていたり、口を開けて舌を出し食べることを辞めてしまった場合は、「おしくないから他のごはんを出して」とアピールしています。
猫が目を細めるときの接し方
続いて、猫が目を細める時の飼い主の接し方について紹介します。目を細める猫は普段とは違う表情なので、飼い主はつい障りたくなってしまうでしょうが、適した接し方があるのです。
飼い主も目を細めて見る
猫が飼い主に対し目を細めてきた場合は、
飼い主も同じように目を細め敵意がなく好意があることを伝えてあげましょう。猫は興奮状態や敵意がある時に目を見開くため、好意を伝えていたり、リラックスしている時に、飼い主が目を見開き必死に猫の様子を見ていると、警戒心を持たせてしまいます。
せっかく好意を抱かれたり、リラックスしてくれたりと心を開いてくれているので、目を細め上機嫌の時こそ、飼い主も猫に寄り添い表情で愛情をアピールするとより信頼関係が構築されるでしょう。
無理に構わない
猫が目を細めリラックス状態にある場合は、かわいいですが無理やり抱っこをしたり、過度な接触をすることを控えましょう。警戒心の強い猫がリラックスをするのは貴重な時間で、
猫の意思とは関係なく触れたりしてしまうとストレスを与えてしまいます。
人間と同じで気分じゃない時に触られると、鬱陶しいと思い苛立ってしまうのです。目を細めリラックスする姿はかわいらしく、ついかまってしまいたくなりますが、そこは我慢して1人時間を満喫させてあげましょう。
猫が目を細めるときは病気の場合もある?
猫が目を細める行為は、まぶしいと感じる以外はリラックスできていたり、相手に対して好意を抱いていたりと特に心配になる要素はないように感じますが、状態によっては病気を疑う必要もあります。
何か特定の行動をしている時だけ目を細めている場合は問題ありませんが、
常に目を細めている場合は、目の病気に罹り開きにくい状態にあるのかもしれません。目ヤニや涙、目の色などで飼い主が気づく時はすでに遅い場合もあるので、迅速に病院へ連れていくことが大切です。
猫が目を細めるときに考えられる病気
続いて、猫がよく目を細める際に疑うべき病気について紹介します。一定の時だけ目を細めている場合は病気を疑う必要はありませんが、最近ずっと目を細めていると気づいた際は、以下の病気に罹っている可能性があります。
角膜炎
角膜炎は、角膜が外部からの刺激で傷つき炎症が起きている状態です。ケンカやじゃれ合いの際に角膜を傷つけてしまうことが多いので、他の猫や動物と接する機会が多い猫は角膜炎を気にしておかなければいけません。
症状は
目を細める以外にも、頻繁に瞬きをしたり、目ヤニの量が多くなったり、目の周りが濡れるなどがあります。また、角膜黒色壊死症による角膜炎の場合、稀に軽度だと回復が見込まれますが、多くの場合は壊死した箇所を手術で取り除かなければいけないため、単なる目ヤニなどと放置しないことが重要です。
結膜炎
結膜炎は、結膜に炎症が起き痒みや痛みを伴う病気です。結膜炎は
カリシウイルス・ヘルペスウイルス・クラミジアなどの細菌感染により発症し、猫同士でも移りやすいです。その為、多頭飼いの場合、1匹が結膜炎に罹ってしまうと、他の猫たちにも移る可能性が高いです。
結膜炎の症状は角膜炎と似ており、
目ヤニが多くなり、目の周りが濡れる、目をよく気にするようになる、白目が充血するなどがあります。また、あまりにも放置してしまうと最悪の場合失明の危険もあるため、違和感を感じたらすぐに病院へ連れていきましょう。
緑内障
緑内障は視神経や網膜に影響を及ぼす病気で、罹ってしまうと失明の可能性が高いです。猫が緑内障に罹る可能性は低いと言われていますが、目を細める以外に、
白目が充血していたり、角膜が白っぽくなっていた場合、緑内障を疑い病院へ連れていきましょう。
また、緑内障は目に強い痛みを伴う場合もあり、ひどいと食欲不振になるようです。症状を放置すると、完全な失明になり眼球ごと切除しなくてはいけなくなるので、最新の注意が必要です。
猫が目を細める意味・心理を知っておこう
今回は、猫が目を細める意味や心理、疑うべき病気について紹介しました。猫は基本的にはリラックしていたり、相手に対して好意がある場合、ごはんがおいしい時など機嫌が良い時に目を細めます。
しかし、まぶしかったり、目の疾患が原因の場合もあるため、愛猫の状態をよく観察して、その時に応じた対応をしてあげて下さい。