猫の「イカ耳」にはどんなサインがある?耳でわかる猫の気持ちを解説!
猫というのは、しっぽや耳での感情表現が非常に豊かな動物です。故にそれらを見ることである程度の心理を読み取れるのですが、イカ耳の時にはどんな気持ちになっているのでしょうか?今回は猫のイカ耳がどんなものなのか、どんな気持ちになっているのかなどを詳しく解説します。
猫の耳の特徴
猫の耳というのは、私たち人間の持っているそれ以上に重要な役割を担っています。音を聴くのはもちろんの事、自分の体温調節や平衡感覚の維持、更に感情表現なども耳1つで行っているのです。
猫や犬、ウサギなどはペットとしてよく飼育されていますが、赤くなっていたり熱を持っている事があります。外気に触れる耳には毛細血管が多く集まっており、ここを収縮させたり拡張させることで体温調節が行われています。
人間の属している哺乳類でも多く見られている現象で、寒い地域で生きる動物は小さい耳を、逆に暑い環境に居る動物は大きな耳を持っています。そして、前庭神経から繋がる三半規管という平衡感覚をつかさどる機能が、非常に発達しています。
猫のイカ耳とは
そんな中で猫のイカ耳というのは、真横にピンと張っていて外に伏せるかのように向けられている状態の事を指します。この様子が海に住んでいる生物であるイカに似ている形状であった事から、そのままイカ耳と名づけられました。
その他にも、飛行機の翼の形状にも似ている事から飛行機耳などとも呼ばれる事があります。光の少ないくらい草むらや森を好んで生活してきた猫にとって、このような形状変化が出来るほどに柔軟になった耳は最も大切と言っていい器官になったのです。
猫がイカ耳になる理由
イカ耳という言葉だけではピンと来ないかもしれませんので、簡単にではありますがどんな形態なのかをご紹介しました。本題はここからで、猫がイカ耳になっている時にはどんな心理状態になっているのでしょうか?
イカ耳の理由①警戒している
心理としては様々考えられるのですが、まず警戒をしているのが挙げられます。猫の耳というのは非常に大切な器官であり、その分筋肉も発達していて自在に動かし集音器のように使いこなせます。
光のあまり多くない暗い場所で生活をしてきたために音に対しては非常に敏感で、自分が置かれている状況を把握するためにイカ耳状態になって、わずかな音や聞き慣れない音を拾っていると考えられているのです。
イカ耳の理由②恐怖心を抱いている
続いて考えられるのが、恐怖心を持っているというものです。警戒にも関連している部分はありますが、特定のものや状況に恐怖心を抱いている時にもイカ耳になり、特に神経質な性格をしている猫にはよく見られる模様です。
耳を伏せてうずくまったり、体を縮めるようなしぐさも同時に見られるとされています。家族として家に迎えたばかりであったり、初めて会う人や動物と接触した時等、慣れない場所、相手がいる場合には恐怖または警戒を表すと考えましょう。
イカ耳の理由③怒っている
怒っているという気持ちを感情表現するときにも、耳がイカ耳になります。人相手ではなく猫同士で喧嘩一歩手前の状態になっている時には臨戦態勢とも言え、相手を威嚇しいつ攻撃してもおかしくないと考えられます。
イカ耳に合わせて、瞳が小さくなったり口角が後ろに引かれて歯がむき出しの状態になっている、ヒゲを横に引き寄せているといった動作も同じく怒っている時に見られる代表的な感情表現です。
イカ耳の理由④意識を集中している
怒ったり警戒しているといったようなマイナスな感情ではなく、意識を何かに集中している際にもイカ耳状態になります。例えば、興味を惹かれる音が発生すると聴力に敏感な猫はイカ耳になってその音に集中する姿が見られます。
状態としては警戒している時と似通ってはいるものの、気になる何かを特定しようとして意識を集中させているので興奮しているといった方が近いでしょう。
イカ耳の理由⑤リラックスしている
警戒したり興奮するときとは真逆の、リラックスしている状態のときにもイカ耳が見られます。不機嫌なサインと思われがちであり実際そうしたケースは多いものの、個体によってはリラックス状態のときに耳が少し外側に向きます。
怒っていたり不満があるなどの不機嫌な状態の時とは違い、リラックス状態の時にはイカ耳と合わせて頭が少し下がっていますし、目元地気味になっています。喉をゴロゴロとならしていたら、更にリラックスしている証拠と言えます。
イカ耳の理由⑥不満を抱いている
もう1つ、不満を持っている場合にもイカ耳状態になります。何かに対してイライラしていたり、不満を持っている時にも耳の形が変化し、例えばおやつがもらえていない、飼い主に構ってもらえていないなどの時に不機嫌になったりします。 こうした時には、表情やしぐさなどにも不満である事が現れます。無理な要求であったり我儘な内容でない場合には、ストレスの原因を取り除いてあげた方が良いでしょう。
イカ耳以外の耳に現われる猫の気持ち
これまでにもご紹介してきた通り、猫にとって耳というのは聴力が優れている分非常に重要な器官となっています。よってイカ耳のような感情を表す際にも動きが見られるのですが、これ以外にも様々な形で気持ちが表されています。
耳をピクピク動かす
例えば、耳をぴくぴくと動かしている時があります。このケースでは、周囲から聞こえる音や声をキャッチして、その出所を探ろうとしていると考えられています。よって、イカ耳であれば集中しているというケースが近いでしょう。
自分にとって危険のあるものなのか安全なのかを、かすかに聞こえてくる音などから聞き分ける情報収集を行っていると言っても良いです。多少不安から敏感になる部分もあるでしょうから、安心させてあげると良いかもしれません。
耳を平たく伏せる
続いては、耳を平たく伏せている時についてです。こちらは怖いと思っている時に見られる耳の動きで、嫌な音を聴いたり苦手な相手に遭遇した時には体全体に力が入って委縮し、耳は平らな状態になります。
正面から見ると、まるで耳が無くなってしまったかのように平らに伏せられた状態になります。表情に関しても恐怖からひきつっている面が見られます。
耳を後ろへ反る
耳が後ろに反っている場合には、怒っていたり拒否するような気持を表しています。イカ耳も不機嫌な気持ちを表す場合に出てくる耳の形でしたが、後ろに反っている状態では十中八九不機嫌な状態と見てよいでしょう。
また、眠い時やあまりかまってほしくない時等にも同様の形で耳が動きます。基本的に猫にとっては落ち着かない状態と言ってよいですから、あまり不安やストレスを与えるような事は控えた方が良いです。
耳を横に傾ける
耳が横に寝ている時には、穏やかでリラックスした状態になっています。例えばお気に入りの場所で日向ぼっこをしている時や、頭を撫でられている時等に見られる耳の動きです。自然と耳が横に倒れているのがイカ耳との違いになります。
耳を動かさない
もう1つ、全く耳が動いていない時もあります。このままの状態で飼い主の方を見たりしている時は、暇を感じていると考えられています。おもちゃなどを使って遊びに誘うと、喜んで反応をしてくれやすいです。
あまり耳を動かさない場合には、猫の気持ちを読み取るのは動きが見られない以上困難になっています。ただこの場合にはしっぽの方に感情表現が表れやすいので、表情や行動などとも合わせて観察してみましょう。
猫が耳を気にする時は病気の場合も
普通にイカ耳であったり今回ご紹介したような耳の動きが見られるだけならばまだよいですが、猫本人が自分の耳を気にしている場合もあります。このケースは、病気になってしまっている可能性も考えられます。
外耳炎からくる症状
イカ耳やぴくぴくと動いているだけであれば、正常な状態と見て取れます。しかし、やたらと猫本人が耳を気にしている時には外耳炎などが考えられ、一般的な耳の病気であり猫の種類や年齢などを問わず発生する可能性のあるものです。
例えば頻繁に耳を掻いていたり、頭を振る、耳から臭いがするといったケースは外耳炎の可能性が潜んでいます。その原因も様々で、カビやダニなどの過剰な繁殖、寄生虫や過敏性皮膚炎などのアレルギーというケースもあります。
外耳炎の予防方法
猫の耳の掃除は必ずやらなければならないものではないですが、体調や体質によっても発生しやすい部分があります。外耳炎の予防については、とにかく耳を掃除して清潔に保つのが一番の対策になります。濡れたままや、種子が付いたままになっていないか気にかけましょう。
イカ耳になっている猫の気持ちを理解しよう
感情の表現を耳としっぽによって行うのが猫である以上、耳からは様々な心理をキャッチすることができます。イカ耳の中でも色々な心理が隠れていますので、是非とも状態などと合わせて猫の心理を理解してみて下さい。