「猫吸い」という言葉をご存知ですか?歌手の坂本美雨さんが行ったことでインターネット上で話題になり、猫愛好家が次々と取り入れています。この記事では、「猫吸い」とはどのようなものなのか、また注意するポイントやしたくなる理由についてまとめているのでぜひ参考にしてください。
猫吸いって何?
まず初めに、「猫吸い」とは何かを解説します。簡単に言えば"猫を扱うこと"なのですが、ここでは少し具体的に「猫吸い」のやり方や、言葉の由来について見ていきましょう。
猫の体に顔をうずめて息を吸うこと
猫吸いとは、その名の通り「猫を吸うこと」です。インターネット上でも一時期話題になり、猫が好きな人や家で飼っている人はやってみたことがあるのではないでしょうか。猫吸いのやり方は、まず猫を向かい合わせに抱っこした後、猫の胸やお腹に顔をうずめて息を吸います。
吸い方は人によって異なりますが、猫の毛を口をぱくっと軽く噛んだり、人間の口と鼻をそのままうずめるものなど様々です。吸う場所は、胸やお腹だけでなく顔、背中、後頭部など好きな部分で猫吸いするパターンがあります。
言葉の由来は坂本美雨さんから?
「猫吸い」という言葉は、歌手や女優として活動している
「坂本美雨」さんが由来だとされています。坂本美雨さんは、父親が坂本龍一さんで母親が矢野顕子さんというミュージシャン一家に生まれ、長寿ラジオ番組「ディアフレンズ」の6代目パーソナリティを務めています。
坂本美雨さんは、猫が好きすぎるあまり、「猫を吸ってしまった」と発言したことから「猫吸い」という言葉が広まったようです。
実際にテレビでは坂本美雨さんが、愛猫であるサバ美ちゃんを吸っているシーンも放送されています。さらに2014年には「猫の吸い方」という本も出版しています。坂本美雨さんだけでなく、家族で猫を飼っているようで、全員猫好きであることはファンの間では有名な話のようです
猫吸いしたくなる理由
続いて、「猫吸い」をしたくなる理由について解説します。ここでは、主に「リラックスできる」効果や、「いい匂いがする」といった特徴についてふれています。
リラックスできる
「猫吸い」をしたくなる理由の1つは、「リラックスできる」からです。あるアンケートでは、もともと猫と一緒にいると多くの人が癒される効果があることがわかっています。
心理的効果の項目として、リラックス効果以外にも、「笑顔で接することが多い」「緊張感が和らぐ」「怒りの気持ちがおさまる」「悲しみが癒える」「気力が増す」「優越感が得られる」などがあげられます。それに伴い「猫吸い」をすることでリラックス効果もあるということです。
いい匂いがする
「猫吸い」をしたくなる理由として、
「いい匂いがする」こともあげられます。猫は、犬に比べると体臭があまりしないという特徴があります。犬はシャンプーをしないと犬独特の体臭がしますが、猫は一定期間シャンプーをしなくても、匂いはせず毛並みも綺麗なままです。
猫が臭いというよりもむしろいい匂いがするため、「猫吸い」をしたくなる人が多くいるようです。猫の体臭があまりしないのは、昔ハンターだったことが関係していると言われています。
獲物に気づかれることを防ぐために、体臭がしないよう進化してきたと言われています。猫の身体は全身ではなく、アゴやしっぽなどにしか汗腺がないため、犬ほど体臭がないとされています。
猫吸いするときの注意ポイント
続けて、「猫吸い」をするときの注意ポイントを解説します。猫扱いはあくまでもインターネットで広がって話題になったもので、正式な猫の扱い方ではありません。気を付けなければ猫だけでなく、
猫扱いしている人間にも悪影響を及ぼす場合があるので注意してください。
感染症のリスクがある
「猫吸い」は、やり方によっては過剰なスキンシップになるため、
感染症のリスクが伴います。病気や寄生虫の有無によっては、人にうつる有害なものがあるので要注意です。「猫吸い」は、猫との距離が近く、密接に触れ合うため、感染症の疑いがある場合は注意しましょう。
健康な成人であっても、感染症のリスクがあるので、外に出さずに室内飼いにしたり、猫の爪をこまめに切って手入れしておく、猫の身の回りだけでなく部屋全体の掃除も定期的に行うなどして、感染症対策をしておくことをおすすめします。
機嫌の悪い時は避ける
「猫吸い」は、実は
猫の機嫌が悪いときにはしない方が良いとされています。猫は「甘えたいモード」や「ひとりでいたいモード」など気まぐれな性格を持っていることが多く、機嫌が悪いときに「猫吸い」をしてしまうと引っかかれる場合があるので注意しましょう。
猫の機嫌の見分け方は、飼い主に自分から寄ってくるかどうかです。また機嫌が良くても、「猫吸い」をした瞬間に機嫌が悪くなるときもあるので様子を見てから行ってください。
「猫吸い」をした後に機嫌が悪くなると、足で押し戻そうとしたり、しっぽを床にバタンとたたきつけたりする様子が現れます。そうすると「猫吸い」が猫の負担になってくるので、いつもと違う態度が現れてきた場合は中止しましょう。
やりすぎは猫のストレスになる
「猫吸い」のやりすぎは
猫にとってストレスになる場合があるので、時間や回数などはほどよく行いましょう。「猫吸い」は人間が猫の身体を押さえつけたり、顔を近づけたりするので、スキンシップではなく猫にとってはかえってストレスになることがあります。
信頼関係があっても、長時間されたり頻繁に行うと、「猫吸い」自体が嫌いになってしまう猫もいるようです。「猫吸い」が猫にとって最適なスキンシップなのか見分けがつかない場合もあるので注意しましょう。猫の気分や様子を見分けて、猫のストレスにならない程度に「猫吸い」をやるようにしましょう。
子供や高齢者は要注意
「猫吸い」は、
子供や高齢者がやるのは注意が必要です。子供は力加減がわからないため、過剰に押さえつけたり機嫌が悪くなった猫を見分ける能力がないからです。
また中学生未満の子供は免疫力が低いため、感染症リスクが高いことも要注意なので「猫吸い」を控えた方がいいかもしれません。高齢者は、子供と同様に免疫力が低く、感染リスクが高い上に、感染しても熱が出にくいため、発見が遅くなる場合があります。
どちらにしても、大人の真似をして猫吸いをすることもあるので、子供や高齢者がいる前では控えることをおすすめします。
野良猫にはしない
「猫吸い」は、
道端にいる野良猫にやってはいけません。野良猫は、ノミやダニがいる場所に行っていることがあり、感染症に罹患している可能性が高いため、非常に危険です。また、野良猫でなくとも飼っている猫を外に出したことがある場合も同様に注意しましょう。
猫吸いで注意したい主な感染症
それでは最後に、「猫吸い」で注意したい感染症について解説します。トキソプラズマ感染症や回虫症、Q熱、パスツレラ症、猫ひっかき病についてふれています。
トキソプラズマ感染症
トキソプラズマ感染症は、「トキソプラズマ」という原虫の卵が人間に感染して起こる病気です。
トキソプラズマを保有している猫に「猫吸い」をしてしまうと、知らない間にトキソプラズマ感染症にかかっている可能性があります。
トキソプラズマ感染症は、弱い病気とされているため、自覚症状がないことが多いことがほとんどです。ただし、妊婦がトキソプラズマに感染してしまうと、胎児に影響が出るため、「猫吸い」は控えた方がよいてしょう。
回虫症
回虫症は、トキソプラズマのように猫が保有している虫の卵が人間の体内に入り感染してしまう病気です。症状においてもトキソプラズマとあまり変わりません。しかし、
虫の卵が目に入ってしまうと、失明する恐れがあるので注意しましょう。
Q熱
Q熱とは、「コクシエラ・バーネッティ」という病原体が原因の病気です。Q熱は、オーストラリアで流行した原因不明の発熱であることに由来しています。
Q熱にかかっている猫はほぼ無症状ですが、人間に感染してしまうと、
発熱、頭痛、悪寒など風邪やインフルエンザと同じような症状が発症します。また、肺炎や肝炎、心内膜炎なども引き起こす可能性がある病気なので注意が必要です。
パスツレラ症・猫ひっかき病
「パスツレラ症」「猫ひっかき病」は細菌感染症です。「猫吸い」などの過剰スキンシップを嫌がった猫が噛み付いたり引っ掻いたりした際に、口や爪にいる細菌が傷口から人間の体内へ侵入して起こる病気です。猫が保有している細菌は常駐菌がほとんどであるため、人間にうつる可能性が非常に高いです。
猫吸いは愛猫との楽しい時間にしよう!
いかがでしたか?今回は、猫の体に顔をうずめて息を吸う「猫吸い」について、言葉の由来やしたくなる理由、注意ポイント、感染症などについて解説しました。
「猫吸い」は感染症リスクなどがある一方で、猫とのスキンシップにもなります。注意ポイントや猫の機嫌に気をつけながら、適度に「猫吸い」を楽しみましょう。