犬が老衰で死ぬ間際の症状や行動を知っていますか?今回は老衰犬がとる最期の症状や行動を解説しています。また、愛犬の最期が近い時に飼い主ができることや、亡くなったあとに用意するものも紹介しています。シニア犬を飼っている方、まだ若く健康な犬を飼っている方も今後のご参考にしてください。
犬の平均寿命はどのくらい?
犬の平均寿命は
、14歳くらいだと言われています。2008年では13.3歳くらいでしたが、ここ最近では平均寿命は延びている傾向があります。
犬種別では、トイプードルやチワワ、ポメラニアンなどの超小型犬であれば平均寿命が14.0歳で、ミニチュアダックスフンドやパピヨン、ミニチュアシュナウザーなどの小型犬は13.8歳となっています。
ボーダーコリーや柴犬、フレンチブルドッグなどの中型犬は13.3歳、ゴールデンレトリバーやラブラド―ルレトリバー、バーニーズマウンテンドッグなどの大型犬は11.1歳とやや低くなっています。
犬は種類により病気や他の原因で死ぬ場合があります。人生を共に過ごし、老衰した愛犬は、亡くなる前に少しずつ前触れを見せながら死んでいく犬もいます。
愛犬の最期を、後悔しないように迎えるために、必要な準備や心構えを理解しておくと飼い主も安心することができます。死んだあとも安らかに送り出せるように、事前に準備するものも把握しておき、死後の世界の幸せを祈りましょう。
犬が老衰で死ぬ間際に見せる症状
では、犬が老衰で死ぬ間際に見せる症状にはどのようなものがあるのでしょうか。犬の平均寿命を参考にしながら、死ぬ間際に見せる症状について把握しておき、
普段の生活に見られる行動に注目してみるといいかもしれません。
老衰犬の死ぬ間際の症状①食欲不振
犬は、死ぬ間際に食欲不振になることがあります。理由としては、
代謝が落ちることや内臓の働きの低下が原因だと言われています。犬によっては、食欲不振ではなく、全く食べない場合もあります。
食欲不振により、痩せてしまうと体調悪化にもつながるので、今の体重をできるだけキープできるようにしてあげましょう。
咀嚼機能が低下している可能性もあるので、ドッグフードをお湯でふやかしてあげてみてもいいかもしれません。または食欲増進のために、おやつや匂いが強めのふりかけやドッグフードを与えるのも有効でしょう。
老衰犬の死ぬ間際の症状②あまり動かない
死ぬ間際の犬は、あまり動かないことがあります。老衰犬になると、周囲の刺激に興味を持たなくなり、体力が低下してしまいあまり動こうとしません。
関節に痛みがある犬などは寝たきりになる場合もあります。最期が近づくと、自分の力で体を動かすことが難しくなってしまい、そのまま横たわり寝たきりの状態になります。その後、意識がもうろうとなり、飼い主の呼びかけにも反応しなくなってしまいます。
老衰犬の死ぬ間際の症状③下痢になりやすい
老衰犬が死ぬときは、下痢になりやすいという特徴もあります。食事が流動食に代わったことで下痢が起きる場合もあります。
便の回数は多いが1回の量が少なかったり、便の色が赤いまたは黒い場合は、腸でトラブルが起きているサインなので、観察してみるといいでしょう。老衰により、全身の神経を上手くコントロールできなくなるため、筋肉も自由に動かすことが困難になってきます。
その後、肛門から柔らかい便が出てきて下痢となります。消化器官も上手く働いていないことが多いため、嘔吐をすることもあります。
老衰犬の死ぬ間際の症状④体温の低下
死ぬ間際の犬には体温の低下が見られます。一般的に、
犬の体温は38~39度と言われていますが、老衰が進むとこれよりも低くなっていきます。
くなる直前になると、さらに体温が低下してしまいます。この場合は、体の機能が少しずつ停止しかけているので、できるだけそばで見守っておくのがいいでしょう。
老衰犬の死ぬ間際の症状⑤よだれが多い
老衰犬が死ぬとき、よだれが多いことがあります。これは、
口呼吸が多くなることや、鼻づまりが原因だとされています。若くて元気な犬がたくさん運動した後に、息切れをしながらよだれを垂らすことがありますが、死ぬ間際の犬にも同じことが言えるのです。
口を開けたまま呼吸をしているので、どうしてもよだれが出てしまうということです。そのまま放置すると、犬も不快な気持ちになるので、気付いたときに拭いてあげるのがいいでしょう。寝転がっている場合は、顔の下にタオルを置いてあげるだけでも効果的です。
老衰犬の死ぬ間際の症状⑥痙攣
死ぬ間際の犬は、痙攣(けいれん)を起こします。これは、
亡くなる数日前から見られる兆候です。飼い主の呼びかけに反応せず、意識がもうろうとしているときにも痙攣は起きることがあります。
痙攣は何度も起きるので、そばで見ていると苦しそうな様子で飼い主も辛くなるかもしれません。こうなると、死期が近いので、寄り添ってあげたり、痙攣中に物にぶつからないように周囲の片づけをしておきましょう。
犬が老衰で死ぬ間際に見せる行動
続いて、犬が老衰で死ぬ間際に見せる行動について紹介します。どの行動も
愛犬自身が自分らしくいたいというアピールなので、見守ってあげるのがいいでしょう。愛犬の性格が関係していたり、家族に別れを伝えているような行動もあるので参考にしてみてください。
老衰犬の死ぬ間際の行動①甘える
老衰犬が死ぬ間際に、甘えるという行動を見せることがあります。これは、
犬自身の体調が悪化して異変を感じている証拠です。普段は甘える性格ではない犬も、死ぬ間際になると自分の体が自由に動かせないことからくる不安から甘えるようです。
信頼していて、今まで一緒にいてくれた飼い主に対して、お別れの気配を察知して、最後に甘えて「さようなら」と言っているのかもしれません。
老衰している犬が甘えるような仕草をした場合は、肉体的・精神的な負担にならない程度に甘えさせてあげましょう。大きな声や揺さぶりはせず、普段よりも少し大げさにかまってあげるといいでしょう。
老衰犬の死ぬ間際の行動②立ちあがろうとする
死ぬ間際の犬は、立ちあがろうとすることがあります。ふらつきがありながらも、自分の足で立とうとしますが、
無理に寝かせることはせずに見守ってあげるのがいいでしょう。できる限り犬のしたいようにさせてあげましょう。
最期まで自分らしく振舞いたい犬の行動なのかもしれません。立ちあがろうとすること以外にも、飼い主の呼びかけに対する反応が遅くなったり、動きが全体的にゆっくりになる犬もいます。
老衰犬の死ぬ間際の行動③遠吠え
老衰犬が死ぬときは、遠吠えをすることがあります。最後の力をふりしぼり飼い主や家族に「ありがとう」と別れを告げているのかもしれません。
あるいは、遠く離れて暮らしている自分の家族や飼い主の家族に対して声を届けようと大きな声で吠えているのかもしれません。
いずれにしても、
無理にやめさせるのではなく、しっかりと最後まで聞いてあげるのがいいでしょう。老衰していも、遠吠えできない犬がいる場合もあります。
愛犬の最期が近い時にできること
続いて、愛犬の最期が近いときにできることについてまとめました。死ぬ間際と理解していても、愛犬に接することが辛いときもありますが、事前に知っておけば愛犬も喜ぶでしょう。
死期が近い犬になるべく寄り添えるように、できることから始めてみてはいかがでしょうか。
笑顔で寄り添う
愛犬の最期が近いときは、笑顔で寄り添うようにしましょう。犬はもともと集団で生活しているので
、死ぬ間際に家族がいると不安がなくなると言われています。
そのため、飼い主の笑顔は、犬にとっても嬉しい行動の一つで、今までの生活が楽しかったものであると認識することでしょう。
死期が近い愛犬を見ると、辛い気持ちになることもありますが、普段と同じように笑顔で接して、出来る限りスキンシップをするようにしましょう。最期まで犬が穏やかに過ごせるようにしてあげましょう。
たくさん声をかける
愛犬の最期が近いとき、たくさん声をかけてあげましょう。人間と同じように、
耳から入ってくる音は死ぬ間際まで残ると言われています。最期が近く意識がもうろうとしていても、聴覚は機能していて、愛犬に届きます。
そのため、これまでの日々の思い出を振り返ったり、感謝の気持ちなど愛情たっぷりの言葉を伝えてあげるといいでしょう。
床ずれ防止や清潔を保つ
愛犬の最期は近いときは、床ずれ防止や清潔を保つようにしましょう。
老衰して、体の機能が上手く働いてないと寝たきりの状態になることがありますが、そのままでいると床ずれしやすくなります。
床ずれ防止グッズは市販でも手に入るので、寝ている愛犬の体制をこまめに変えつつ、床ずれを防ぎましょう。また、最期は排せつ機能も低下し、自力での排せつもできなくなる犬もいます。
そのため、汚れてもすぐに変えられるおむつやペットシーツなどを使い、清潔を保つように心がけましょう。排泄物で汚れた体も濡れたタオルで拭くと、愛犬は気もちいいでしょう。
老犬に合った環境にする
愛犬の最期が近いとき、老犬に合った環境にしましょう。犬は老衰してしまうと、今までの環境では快適に過ごすことができない場合があります。
例えば、
段差にスロープをつける、介護用のハーネスを使うなどです。目が見えずらくなった犬は、障害物にあたる可能性もあるので、なるべく物を置かないことや、家具の角にクッションガードをつけるなどして対策してみましょう。
また、寝たきりの犬であっても、カートへ乗せると外出が可能になるので、散歩にも行くようにしましょう。外部の空気を吸ったり、匂いや音を感じるだけでも、良い刺激になり、老犬にとって過ごしやすい環境になるでしょう。
愛犬が亡くなったときに用意するもの
それでは最期に、愛犬が亡くなったときに用意するものについて紹介します。ここで紹介しているものは必ずしも必要ではないものもあるので、
飼い主やその家族と相談しましょう。
また葬儀会社や施設に確認することもあるので、事前にリスト化して、愛犬をスムーズに送り出してあげましょう。
用意するもの①タオル・棺
愛犬が亡くなったときは、まず綺麗なタオルや棺を用意しましょう。亡くなった犬は、埋葬か火葬されるのが一般的ですが、
施設や会社によっては使用不可の場合もあるので、事前に確認するといいでしょう。
タオルや棺は、葬儀の際に施設によって不要になる場合もあります。ご遺体をタオルで簡単にくるむだけであったり、普通の段ボールの箱に入れるだけのケースもあります。
そのやり方に違和感や不安を感じるのであれば、飼い主の家にある段ボールや紙製の棺もあるので検討してみてもいいかもしれません。
もしタオルを使用する場合は、ご遺体を棺に入れるときに包んであげたり、清めたりするときにたくさん使用することがあるので、枚数多めに準備するか、大きめのものを用意するといいでしょう。
用意するもの②保冷剤・ドライアイス
愛犬が亡くなったときには、保冷剤やドライアイスを用意しましょう。これは、
愛犬のご遺体が痛まないようにするためのものです。死後早い段階で冷やしておくと、ある程度ご遺体が綺麗に維持できます。
ご遺体は、外気に触れると、損傷や腐敗が早いスピードで進みます。中でも腰回りや腸の部分は、最初に腐敗し始めるので、そのあたりを重点的に冷やすようにしましょう。
ペットの葬儀場や霊園まで運ぶときに、保冷剤やドライアイスを入れるので、ふやけにくいものを選ぶといいでしょう。
ドライアイスを準備するのが困難な場合には、ビニール袋に入れた氷でも対応できます。他にも、新聞紙や生前に使っていた敷物なども棺に入れることもできるので、事前に確認して用意しておくと安心です。
用意するもの③お花
人間と同じように、愛犬が亡くなったときも、お花を手向けてあげましょう。お花は、葬儀の際に必ず必要なものではありません。
愛犬の最期である場所を綺麗にしたい・整えてあげたいという考えを持っていたり、飼い主が心を安らかにしたい場合に用意した方がいいでしょう。
人間とは違い、ペットの葬儀には、厳密なルールがないので、お花が必要かどうかは飼い主の判断に任せられます。愛犬が生前好きだったお花や、似合う種類のものを選んであげると喜ぶかもしれません。
ただし、色が濃い花はご遺体に色が移る可能性があるため、避けましょう。また、虫がついているお花や燃えにくい花または造花も避けた方がいいでしょう。
用意するもの④好きだったおもちゃ・おやつ
愛犬が亡くなったときは、生前好きだったおもちゃやおやつも用意しましょう。旅立つときに、愛犬がさみしい思いをしないよう、または
死後の世界でもお腹がすいたときや退屈することがないように一緒に入れて送り出しましょう。
もし、自宅ではなく病院で亡くなった愛犬に対しても、獣医に生前に使っていたグッズなどを聞いて入れてあげるのがいいでしょう。
愛犬が死ぬ間際の症状や行動を把握して悔いのない最期を迎えましょう
いかがでしたか?今回は、愛犬が老衰で死ぬ間際の症状や行動を紹介しました。また愛犬の最期が近い時に飼い主がするべきことや亡くなったあとに用意するものについても解説しました。
愛犬を飼っている以上、死という別れは必ず来ます。死ぬ間際に見せる行動や症状を、愛犬が元気なうちに見るのは気分が落ち込む場合があります。
しかし事前に知っておくことで今の生活も尊く感じることでしょう。
愛犬が死んでも後悔しないよう、悔いのない最期を迎えましょう。