セッター犬は、ハンティングで活躍していました。性格は比較的友好的であり、大型サイズになる犬種が多いです。セッターの名前の由来は、獲物を見つけた時の伏せの姿勢が由来となっています。この記事で紹介するのは、セッター7犬種の特徴・性格・飼い方・気をつけたい病気です。頼もしい相棒になってくれるセッター犬の知識を深めてみましょう。

セッター犬の特徴

セッター犬とは、猟犬の一種です。セッター犬に区分される犬種には、いくつかの種類があります。当初のセッター犬は、スパニエル系の犬種が多い傾向でした。 狩猟に適した性質や人に友好的な犬を求めて交配を行った結果、セッター犬に区分される犬種が時代が進むにつれて増えました。名前の由来となっているセッターは、獲物を見つけた時に行う伏せの姿勢が由来です。 伏せの姿勢を「セット」というため、セッター犬と呼ばれるようになりました。セッター犬に区分される犬種は、穏やかな性格をしている大型犬が多い傾向です。 普及し始めた頃のセッター犬は攻撃的な個体が多い傾向でしたが、交配によって性質が穏やかになりました。

セッター犬は鳥猟犬のポインターとは違うの？

セッター犬とポインターは、狩猟で獲物を見つけた時におこなう行動が異なります。セッター犬は、獲物を見つけた時に伏せの姿勢をおこなうことが特徴です。 一方で、ポインターは片足をあげて主人に獲物の存在を知らせる「ポイント」または「ポインティング」と呼ばれる行動をします。 セッター犬の犬種は、イングリッシュセッターやアイリッシュセッターなどです。ポインターには、イングリッシュポインターやワイマラナーなどが分類されます。

セッターの代表的な7犬種を徹底解説

ここからは、セッターの代表的な7犬種を解説します。飼い方の他にも、共に過ごすうえで必ず知っておきたい体重や寿命、かかりやすい病気なども紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

代用的なセッター犬①アイリッシュセッター

引用：みんなの犬図鑑 アイリッシュセッターは、マホガニーレッドと呼ばれる赤茶色の美しい被毛が特徴です。細身に見えますが、筋肉が発達しており優れた運動神経を有します。 アイリッシュセッターの運動神経で特徴的なのは、高い持久力です。1日に100km以上走ることができます。人に対して友好的な性格の個体が多いため、番犬には不向きです。 しかし、アイリッシュセッターは飼い主には忠実なため、粘り強くトレーニングに励みます。飼い主が指摘したことを前向きに受け止めて、やり遂げようとするでしょう。

アイリッシュセッターの体重や寿命

アイリッシュセッターの体重は、27kg~33kgです。体高は64cm~69cmほどになります。寿命は、12歳から15歳です。寿命が短い傾向の大型犬のなかでは、比較的長生きしてくれます。 アイリッシュセッターのかかりやすい病気に気をつけて健康管理をすることで、より長く共に過ごせる可能性が高いです。

アイリッシュセッターの飼い方

アイリッシュセッターの飼い方で気を付けることは、運動量です。狩猟で活躍していた犬種なため、運動を好みます。1日1時間ほどは、運動させてあげましょう。 ゆっくり歩く運動だけでなく、ボール遊びなどの走り回れる運動が理想です。ただし、屋外で猫や鳥などの小動物と対面した時には猟犬としての本能で追いかける場合があります。 小動物を執念深く追跡しようとする場合もあるため、アイリッシュセッターに運動をさせる場合には大型犬のドッグランなどで行うようにしましょう。

アイリッシュセッターのかかりやすい病気

アイリッシュセッターのかかりやすい病気は、子犬の間であれば皮膚炎・外耳炎・股関節形成不全です。皮膚炎は、細菌やカビ、ダニなどが原因で引き起こされます。 外耳炎は細菌やカビの他にも、寄生虫、アレルギーなどが原因です。股関節形成不全は、骨の発達が何らかの要因でうまくできなかった場合や遺伝が要因となる場合があります。 成犬以降のアイリッシュセッターであれば、甲状腺機能低下症・巨大食道症・胃捻転などがかかりやすい病気です。甲状腺機能低下症は甲状腺の働きが悪くなり、巨大食道症や胃捻転は内臓に不調をきたします。

代用的なセッター犬②イングリッシュセッター

引用：みんなの犬図鑑 イングリッシュセッターは、イギリス原産の大型犬です。セッター犬のなかでも、特に人気を誇っています。性格の特徴は、運動を好む活発さと飼い主への従順さです。 走り回るだけでなく池や川を泳ぐ個体が多いため、犬と一緒にアウトドアを楽しみたい人にも適しています。体力があるので、一緒に過ごす場合には充分な運動量を確保しましょう。

イングリッシュセッターの体重や寿命

イングリッシュセッターの体重は、23~35kgです。体高は65~68cmなので、大型犬のなかでは小柄な部類となっています。 イングリッシュセッターの寿命は10歳から12歳ですが14歳前後ともいわれるため、体調管理に気をつければ長く一緒に過ごせる可能性が高いといえるでしょう。

イングリッシュセッターの飼い方

イングリッシュセッターの飼い方で気をつける点は、充分な運動量を確保することです。持久力だけでなくパワーも豊富な犬種のため、1日1時間の運動量でも満足しません。 散歩や走り回れる時間以外にも、常に遊べるおもちゃを用意するなどでストレスを発散できる環境が必要です。

イングリッシュセッターのかかりやすい病気

イングリッシュセッターのかかりやすい病気は、熱中症です。暑さへの耐性は低いため、暑い部屋や車内、屋外でも注意しましょう。 体温が高くなりすぎると荒い息をしたり、よだれが出たりします。さらに体温が上がり続けた場合には、意識消失や痙攣を引き起こして命の危険が及ぶ恐れがあるため、注意しましょう。

代用的なセッター犬③ゴードンセッター

ゴードンセッターは、セッター犬のなかでも最も大型で重厚感のある犬種です。スコットランド原産の犬種のなかでは、唯一鳥猟犬として認められています。 セッター犬として最も新しく公認された犬種ですが、ルーツとなった犬種は18世紀から16世紀に遡ることが可能です。猟犬としての仕事振りは、正確だと評判を獲得しています。ゴードンセッターが止まった場所には、必ず獲物がいるといわれるほどです。 ゴードンセッターは人に対して友好的である反面、外敵には勇敢に立ち向かいます。飼い主には優しくて忠実なため、しつけはしやすい犬種です。

ゴードンセッターの体重や寿命

ゴードンセッターの体重は、20~36kgです。体高は58~69cmなため、大型犬に分類されています。寿命は10~12年といわれており、大型犬としては平均的な寿命です。 飼い主が日々健康管理に努めることで、ゴードンセッターとさらに長い時間を過ごせる可能性が高まります。

ゴードンセッターの飼い方

ゴードンセッターの飼い方で注意すべき点は、運動量です。散歩は、1日2回でそれぞれ1時間程度が理想となります。歩いたり走ったりする運動だけでなく、ボールやフリスビーを追いかける運動も最適です。

ゴードンセッターのかかりやすい病気

ゴードンセッターのかかりやすい病気は、股関節形成不全・離断性骨軟骨症・肘関節形成不全の3種類です。いずれの病気も遺伝が多い要因だと考えられています。

代用的なセッター犬④アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セッター

引用：ジャパンケネルクラブ アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セッターは、アイルランド原産の大型犬です。被毛のベースはホワイトで赤みのあるブラウンの斑点があります。 運動神経は優れていますが、自身が知らない人物には興味を示さないので番犬には向いていません。一方で落ち着いた性格をしているため、小さな子どもや他の動物がいるとも共存できる個体が多いです。

アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セッターの体重や寿命

アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セッターの体重は27~32kgで、体高は57~67cmです。大型犬のなかでは、スリムな体格をしています。 アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セッターの寿命は、12~13年ほどです。寿命が短くなりやすい大型犬では、長生きしやすい犬種となっています。

アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セッターの飼い方

アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セッターの飼い方で注意したいのは、運動量と子犬の頃からのしつけです。比較的しつけに時間がかかるといわれています。 猟犬の本能で子犬の間は自身以外の動物に興味を持ち、追いかける傾向です。そのため子犬の間はケガをしやすいともいわれています。時間をかけて信頼関係を築くことで、自身の本能よりも飼い主の言う事を優先して聞くようになるでしょう。

アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セッターのかかりやすい病気

アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セッターのかかりやすい病気は、胃捻転です。胃捻転にかかった場合には、様々な原因によって胃がねじれてしまいます。 胃のねじれによって、他の臓器が圧迫された場合には命の危険性があるため原因を払拭することが大切です。胃捻転の原因は、食後の運動や一気に水を飲んだ時、そして早食いや遺伝も挙げられます。

代用的なセッター犬⑤スモール・ミュンスター・レンダー

引用：ジャパンケネルクラブ スモール・ミュンスター・レンダーは、ドイツ原産のセッター犬です。セッター犬には大型犬が多いですが、スモール・ミュンスター・レンダーは中型犬に分類されています。 獲物を見つけて合図をするポイント以外にも、ハントや獲物の回収までこなす器用な犬種です。用心深い性格ではあるものの飼い主と認めた人物には従順であり、友好的な一面も備えています。

スモール・ミュンスター・レンダーの体重や寿命

スモール・ミュンスター・レンダーの体重は18~27kgであり、体高は52~54cmです。寿命は12~14歳で中型犬では、平均的となっています。

スモール・ミュンスター・レンダーの飼い方

スモール・ミュンスター・レンダーの飼い方で気をつけたいのは、見た目以上に運動量が必要なことです。散歩などの単純な運動ではなく、知的好奇心を満たせる運動で満足します。仕事を与えて何かを探すような活動が好ましいです。

スモール・ミュンスター・レンダーのかかりやすい病気

スモール・ミュンスター・レンダーのかかりやすい病気は、股関節形成不全 と熱中症です。股関節形成不全は、遺伝が原因である場合が多くなっています。

代用的なセッター犬⑥イタリアン・スピノーネ

引用：ジャパンケネルクラブ イタリアン・スピノーネは、イタリア原産のセッター犬です。強い骨と発達した筋肉を持ちます。猟犬として陸上の獲物を回収するだけでなく、水中の獲物もとらえるほど優秀です。 賢い犬種ではあるものの、好奇心旺盛で遊び好きな性格を持ちます。他の犬や動物に対して攻撃的な一面を見せたり、吠え癖を持っていたりするため、飼育環境に注意しましょう。

イタリアン・スピノーネの体重や寿命

イタリアン・スピノーネの体重は32~37kgであり、体高は59.5~70cmの大型犬です。平均寿命は12~14歳といわれており、大型犬としては平均的な寿命となっています。

イタリアン・スピノーネの飼い方

イタリアン・スピノーネの飼い方で気をつけたいのは、運動量です。激しく走り回るような運動を好むので、充分な運動ができるようにしましょう。

イタリアン・スピノーネのかかりやすい病気

イタリアン・スピノーネは犬種としてかかりやすい病気は、比較的少ない丈夫な犬種です。稀に、遺伝が原因の股関節形成不全を引き起こす場合があります。

代用的なセッター犬⑦ショートヘア―ド・ハンガリアン・ビズラ

引用：ジャパンケネルクラブ ショートヘア―ド・ハンガリアン・ビズラは、短い被毛を持つセッター犬です。たくましい体つきでありながらも、細身なシルエットをしています。 気質は温厚で、飼い主に従順です。一方で繊細でもあるため、不適切な環境に身を置くと体調を崩す場合があります。充分に運動できる環境で飼育しましょう。

ショートヘア―ド・ハンガリアン・ビズラの体重や寿命

ショートヘア―ド・ハンガリアン・ビズラの体重は18~28㎏であり、体高は54~64cmで中型犬に分類されています。寿命は12歳から15歳です。

ショートヘア―ド・ハンガリアン・ビズラの飼い方

ショートヘア―ド・ハンガリアン・ビズラの飼い方で気をつけたいのは、飼育環境です。屋内で家族と一緒に過ごせる環境が適しています。

ショートヘア―ド・ハンガリアン・ビズラのかかりやすい病気

ショートヘア―ド・ハンガリアン・ビズラのかかりやすい病気は、外耳炎です。外耳炎は垂れ耳の犬種がかかりやすい病気となっています。

セッター犬を迎えるには

次の項目からは、セッター犬を迎えるために必要なことを紹介します。セッター犬の飼育を検討している方は、ぜひご参考ください。

セッター犬を迎える前に確認しておくこと

セッター犬を迎える前に確認しておくことは、飼育環境です。セッター犬は運動を好みます。必要な運動量を満たせるかどうかや存分に運動できるドッグランを確認しましょう。 また、大型犬の飼育は時間やコストに負担がかかります。責任を持って面倒を見れるかどうかを良く確認してから迎えましょう。

ブリーダーから譲ってもらうのが一般的

セッター犬はペットショップで見かける機会が少なく、ブリーダーから直接迎えることが多いです。性格や大きさなどを確認できるため、相性の良い性格の子犬を見つけやすいのが魅力です。 また、ブリーダーはその種の専門家でもあります。迎えた後に不明点が生じた場合でも質問ができるようなブリーダーから入手できるのが理想です。

保護犬を迎える場合もある

セッター犬のなかでもイングリッシュセッターは、猟犬として活躍しています。保護犬の場合は成犬が多いため、しつけをし直す必要がありますが、運命を感じやすいのも確かです。

セッター犬は運動が大好き

この記事では、セッター7犬種の特徴・性格・飼い方・気をつけたい病気を紹介しました。セッター犬はどの犬種も運動を好みます。適切な飼育と環境が提供できるかを充分に確認してから、お迎えをしましょう。