猫がお腹を見せるのは降参・服従ではない?触ると怒る理由も解説!
猫が飼い主に対してお腹を見せてくるのはよくあるシーンかと思われますが、可愛らしいシーンではあるもののどんな心理になっているのかご存じでしょうか?実は服従を示している訳ではない、などといった説もある中、今回は飼い主に猫が腹を見せてくる理由などについて解説していきます。
猫がごろんとお腹を見せる意味は犬とは違う?
猫がお腹を見せる姿というのは、人間からすれば可愛らしいものです。同じように犬もお腹を見せてくる事がありますが、こちらの場合には服従や降参といったような意思表示をしているのを表すとされています。
元々犬というのは集団で暮らす習性を持っているために、その群れのリーダーや上位の相手に対しては服従するという本能的に備わっています。故に隙が大きなお腹を見せる行為は、相手への服従を示しているとされます。
猫も同じような動作を見せてきますが、犬とは違って基本的に単独で生きているのですから、上記のような服従の姿勢を示す必要がありません。よって、お腹を見せたとしても犬と同じように気を許したりしている訳ではないのです。
猫がお腹を見せる理由
犬と猫とは習性が違っているために、同じ意味でお腹を見せている訳では無かったのです。ただ、こちらにお腹を見せてくる以上は何らかの意味があるとされる中、どんな意味を持っているのでしょうか?
お腹を見せる理由①信頼している
まず、信頼を示すために見せてくる、という理由が考えられます。多少なりとも飼い主と一緒に暮らす中で、大丈夫であると判断した時にお腹を見せてきます。これはすなわち、信頼の裏返しの行動であると言えるでしょう。
服従の意味合いはないとされていますが、飼い主を信じるからこそ態々お腹を晒す事があるわけです。特に子猫の内から飼い続けていると、遊んでほしかったりお腹が空いた時等にもよく見られる模様です。
お腹を見せる理由②安心している
続いては、飼い主に対する安心を示すという理由です。猫を飼い始めればその家を自分のテリトリーと捉え、その中で何の危険も無い、飼い主も自分に危害を及ぼす存在ではないと分かった時、お腹を見せてきます。
これはすなわち、危険性が無いと判断し信頼をしているからこそであると推測できます。家ではお腹を見せながら寝ている猫も、病院などに行くとそのような姿は見られないと言われますので、安心は間違いなくしているのでしょう。
お腹を見せる理由③甘えている
飼い主に対する甘えの際にもお腹を見せてきます。お腹を見せながら喉をゴロゴロと鳴らしたり、体を揺らしながら飼い主の方をじっと見つめ続けている場合には、十中八九甘えている証拠であると見て取れます。
子猫と母猫の間でも、甘えたい時やミルクが欲しい時、遊んでほしい時等にはお腹を見せる姿が見られます。これと同じで、飼い主に対しても遊んでほしかったり構ってほしい時等には、それらを示すためにお腹を見せる事があるのです。
お腹を見せる理由④構って欲しい
甘えているのと似たような理由ですが、かまってほしいというケースも考えられます。基本的に犬とは違う習性の猫は、服従心や依存性などが少ない動物とされているので、よく知られているように単独での行動がメインになっています。
その中で、猫の気分として飼い主等にかまってほしい際には、飼い主の足をつついて来たり体を揺らしながらお腹を見せるといった動作をしてきます。そこでいっぱいかまってあげると、その後もたくさんお腹を見せてくるでしょう。
お腹を見せる理由⑤暑いと感じている
遊んでほしい、甘えたいなどの理由ではなく、単純に暑いからお腹を見せている時もあります。家で飼っている時にも野生でもそうですが、猫は自分が気に入っている場所が見つかった時には基本的にずっとその場所に居続ける習性があります。 暑いと思っている時には、涼しい場所を当然ながら探します。
しかし、そういった場所が見つからない場合には飼い主に対して暑い事をアピールするためにお腹を見せてくる、という訳です。夏場でフローリングなどでお腹を見せて寝ている場合には、熱を逃がすためでもあります。
こういった行動も、危険な場所では決して見せる事はありません。自宅や飼い主を信頼しているからこそお腹を見せて眠れる姿が見られるわけですが、こういった時には換気をしたりエアコンをつけて涼しくしてあげましょう。
猫がお腹を見せるのに触ると怒る理由は?
お腹を見せる理由には様々なものがあり、服従ではないにしても信頼や安心を示すものであるというものも見られました。野生では決してみられる事がありませんから、信頼してくれている証拠と見ても良いでしょう。
お腹を見せてくるのを見るとついついかまってあげたくなりますが、実際に触ると怒った様子を見らせることもあります。信頼や安心の証拠という理由もあった中で、なぜ怒ってくるのでしょうか?
お腹は攻撃に対しては弱い場所
基本的にお腹というのは、猫にとって弱い部位になります。つまり弱点であり、腹部には骨などもありませんので内部には内臓があります。よって攻撃に対して非常に弱く、もしここを攻撃された場合、最悪命を落とすこともあるのです。
だからこそ、野生の猫などはそんな弱点を安易に周りに見せないためにお腹を天に向ける姿が見られないわけですが、仮に信頼している飼い主が相手であったとしても、弱点を触られるのは本能的に危険だと分かっている訳です。
自分からお腹を見せられても、触られるのは嫌に思っている猫というのは少なくありません。自分から見せてくるのは触って欲しいからではないのか、と思うかもしれませんが、先に述べた通り弱点を触られるのは恐怖を覚えるものです。
どれだけ信頼している飼い主が相手であっても、自分が嫌がることをされたときには信頼云々関係なく嫌に思う事でしょう。よって、猫の方からお腹を見せてきたとしても、安易に触ったりしない方がお互いの為であると言えます。
猫がお腹を見せたときの撫で方
基本的には急所であるために触らない方が吉ではあるものの、少数派ですがお腹を撫でられたりする事に抵抗が無かったり、触られるのが好きだという個体も居ます。こういった猫は、人懐っこかったりおおらかな性格をしています。
脇腹から撫でる
もしお腹を触っても問題の無いような猫を相手にする場合には、まず、わき腹から撫でるようにしてみましょう。お腹を触ることに慣れてもらうために、いきなりお腹の真ん中を触ったりするのは怒られる可能性が高いです。
ゆったりと横になっている時など、明らかにリラックスしていて安心が確認できる状態のときに、優しく脇腹の部分を撫でてあげるのです。これで問題なくリラックスした状態が続いているなら、脇腹を触ってもOKと見られます。
触り方に問題が無くても、お腹を触られることそのものを嫌がる猫も居ます。その場合には脇腹であっても嫌がりますので、嫌がるそぶりを見せた場合にはすぐに撫でるのをやめ、猫が気持ちよく感じてくれるように撫でてみましょう。
尻尾や耳のイライラのサインに注意
撫でまわしている時に急に噛んできたりといった事もありますが、それは猫の機嫌を損ねたからです。お腹を撫でている際にも同様、下手をすれば急所であるゆえに他の部位を触っている時以上に注意をしなければなりません。
これを愛撫性誘発攻撃といい、猫が触って欲しくない、止めてほしいと思った時の気持ちを示す行為となります。長時間撫で続けていたり、触り方が気持ちよくなかった、触って欲しくない部分を触っていたなどが原因になります。
勿論噛まれたり引っ掻かれたいがために触っている訳ではないので、耳やしっぽに注目してみましょう。しっぽを振っている時はイライラを、耳を畳んでいる時にも同じく気を損ねているのを表しているので、注目して見るのです。
お腹を触れるようになったら健康チェックも
- 不自然な膨らみはないか
- 不自然なしこりはないか
- 痛がるようなそぶりを見せていないか
もしお腹を触っても基本的に怒ったり、噛んだりして来なくなったのであれば、お腹を触りながら健康チェックもしてみましょう。上記のどれかに該当する違和感があれば、腹水や子宮の病気、腫瘍や皮膚炎といった各種の病気の可能性があります。
また、いつもお腹を見せていた猫が急にお腹を見せてこなくなった場合にも、見えない病気か怪我をしている可能性も考えられます。いつもと違う何かが発見された場合には動物病院を頼ってください。
猫がお腹を見せる理由を知っておこう
猫がお腹を見せてくるのは、信頼や安心といった意味合いもありますが、触ることに関しては十分に注意が必要です。ただ、もし触れるようになったら健康チェックも出来るようになるので、是非とも覚えておいてください。